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原価率は「だいたい」で運ばない。一品ずつ数えてみると見える景色

飲食・SaaS

飲食店を営んでいると、「原価率」という言葉と毎日のように向き合うことになります。けれど、いざ「この一皿の原価はいくらですか」と聞かれて、すぐに答えられるお店は意外と少ないのではないでしょうか。多くの場合、店全体の仕入れ額と売上から「だいたいこのくらい」という感覚で運ばれています。

もちろん、長年の経験から導かれる感覚は侮れません。ただ、感覚だけに頼っていると、見えにくくなるものがあります。それは「どのメニューが利益を生み、どのメニューが足を引っ張っているのか」という、一品ごとの内訳です。よく売れている看板メニューが、実は原価がかさんで利益はわずか、という逆転が起きていることもあります。

一品ずつ原価を計算するのは、地道で根気のいる作業です。一つのメニューに使う食材を書き出し、それぞれの分量と単価をかけて足し合わせる。調味料やつけ合わせのような細かいものまで含めると、料理の数だけこの作業が必要になります。手作業でやろうとすると、これだけで一日が終わってしまいかねません。だからこそ、後回しになりがちなのです。

私たちが飲食店向けのサービス「のびしろFood」を作ったのは、まさにこの作業を少しでも軽くしたいと考えたからでした。食材の単価をいちど登録しておけば、レシピを組み立てるだけで一品あたりの原価が見えてくる。そんな仕組みです。私たち自身も飲食店を運営しており、この計算の大変さを身をもって知っているからこそ、形にしたいと思いました。

一品ずつ数えてみると、思いがけない発見があります。「値段を少し上げてもよさそうなメニュー」「逆に、頑張って価格を抑えている割に利益が薄いメニュー」。こうした輪郭がはっきりすると、メニュー全体の組み立て方や、力を入れるべき一皿が見えやすくなります。値上げに踏み切るかどうかも、感覚ではなく数字を根拠に判断できるようになります。

仕入れ値が動きやすい時代です。一度計算して終わりではなく、価格が変わるたびに見直せることが大切になります。すべてを完璧に管理しようと気負う必要はありません。まずは、よく出る数品だけでも原価を数えてみる。そこから、自分の店の数字との付き合い方が少しずつ変わっていくはずです。

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