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「品質」を気合いで終わらせない。30項目のチェックリストを持つ理由

品質・制作の裏側

「品質には自信があります」という言葉は、世の中にあふれています。けれど、その品質が具体的に何を指しているのかと問われると、説明に詰まってしまうことも少なくありません。丁寧にやっています、気をつけています。そうした心構えは大切ですが、それだけでは、人によって、日によって、出来上がるものにばらつきが出てしまいます。

私たちは、この「品質」を、できるだけ気合いや根性の話から切り離したいと考えてきました。そこで設けたのが、自社の品質基準です。仕上がりを確認するための観点を、いくつかのカテゴリに分け、その下に具体的な項目を並べています。一つずつ「これはできているか」を確かめながら進める。チェックリストを持つというのは、そういう地味な取り組みです。

なぜわざわざ項目に分けるのかというと、人の注意力には限りがあるからです。一度に全体をなんとなく眺めて「問題なさそうだ」と判断すると、見落としは必ず起こります。けれど、「表示の速さはどうか」「文字の誤りはないか」「スマートフォンで見たときに崩れていないか」と、観点をひとつずつに区切れば、確認の精度はぐっと上がります。当たり前のことを、当たり前に確かめきる。その仕組みです。

正直に申し上げると、こうした基準を作ること自体は難しくありません。難しいのは、それを宣言で終わらせず、毎回きちんと運用し続けることです。忙しいとき、急ぎのとき、人はつい「今回くらいは」と省略したくなります。私たちも、この基準を本当の意味で日常に根づかせることは、今もなお取り組みの途上にあると感じています。

それでも、基準を言葉にして持っておくことには、確かな意味があります。確認の抜けが起きたとき、「気をつけよう」ではなく「どの項目が機能していなかったのか」と振り返ることができる。原因を仕組みの側で捉えられると、次に同じ失敗を繰り返しにくくなります。属人的な勘ではなく、誰がやっても一定の水準に届くこと。そこを目指せるようになります。

品質とは、特別な瞬間に発揮されるものというより、当たり前のことを取りこぼさずに積み重ねた結果だと思っています。派手さはありませんが、こうしたチェックリストの存在が、納品物への安心につながるのであれば、それが私たちの考える誠実さの形のひとつです。

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